ハラスメント
公開:2026/09/03
パワハラ相談を受けた企業はどう対応する?相談窓口の設置義務・対応フローを解説
「パワハラの相談を受けたら、企業はどう対応すればよい?」「パワハラ相談窓口はどのように設置・運用すればよい?」と悩む企業担当者も多いのではないでしょうか。パワハラ相談を適切に処理するには、相談窓口を設置するだけでなく、相談受付から事実確認、その後の対応まで一連の体制を整える必要があります。
また、企業にはパワハラに関する相談に対応するための体制整備が義務付けられており、相談者のプライバシー保護や不利益な取り扱いの防止などにも配慮が必要です。
そこで本記事では、
- パワハラ相談窓口を設置すべき理由
- パワハラ相談窓口を設置・運用する際のポイント
- パワハラ相談を受けた後の対応フロー
- パワハラ相談対応で避けるべき対応
について詳しく解説します。パワハラ相談窓口の設置・見直しや、相談を受けた際の対応方法を確認したい企業担当者に向けた内容です。
内部通報制度の概要や制度整備にあたってのポイントは、内部通報制度とは?公益通報者保護法2026年施行・体制整備義務から実効性ある運用までの完全ガイドで解説しています。パワハラ相談の受付方法を設計する際の前提として、あわせてご覧ください。
目次
パワハラの相談窓口を設置すべき理由
パワハラの相談窓口は、従業員からの相談を早期に把握し、適切な対応につなげるために必要です。また、企業には相談に対応するための体制整備が義務付けられています。
ここでは、企業がパワハラの相談窓口を設置すべき理由について、以下の2つの観点から解説します。
- 多くの企業がパワハラの相談を受けている
- パワハラの相談窓口の設置義務化
パワハラへの対応が遅れると問題が深刻化する可能性もあるため、相談を受け付け、適切に対応できる体制を整えておく必要があります。
多くの企業がパワハラの相談を受けている
厚生労働省の調査では、全国の従業員30人以上の企業・団体のうち、過去3年間にパワハラの相談があったと回答した企業は64.2%でした。調査対象となったハラスメントのなかでも最も高い割合となっており、多くの企業でパワハラに関する相談が発生していることがわかります。

出典:厚生労働省委託事業「令和5年度 職場のハラスメントに関する実態調査報告書」(令和6年3月)
一方、相談件数の推移については「変わらない」と回答した企業が最も多く、「減少している」との回答が「増加している」を上回っています。そのため、パワハラの相談件数が一律に増加しているとはいえないものの、依然として多くの企業が相談を受けている状況です。
パワハラの相談窓口の設置義務化
2019年の「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」の改正により、事業主にはパワハラに関する相談に対応できる体制の整備が義務付けられました。
この措置義務は、大企業では2020年6月1日、中小企業では努力義務の期間を経て2022年4月1日から適用されており、現在は企業規模を問わずすべての事業主が対象です。同法では、事業主が講じるべき措置について、以下のように定めています。
「事業主は、職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であつて、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものによりその雇用する労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。」
引用:労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律 第30条の2第1項(2019年改正で新設・e-Gov 法令検索)
つまり、企業はパワハラの相談を受け付けるだけでなく、相談を受けた際に適切に対応できる体制まで整えておく必要があります。
パワハラ相談窓口と内部公益通報窓口の違い
パワハラ相談窓口と内部公益通報窓口は、相談・通報を受け付ける点では共通していますが、制度上の位置づけや対象は異なります。すべてのパワハラ相談が、公益通報者保護法上の「公益通報」に該当するわけではありません。
主な違いは、以下のとおりです。
| パワハラ相談窓口 | 内部公益通報窓口 | |
|---|---|---|
| 主な目的 | パワハラに関する相談を受け付け、適切な対応につなげる | 法令違反などに関する通報を受け付け、是正につなげる |
| 主な対象 | 職場におけるパワハラに関する相談 | 公益通報者保護法の対象となる法令違反などの通報 |
| 窓口の運用 | パワハラに関する相談を中心に受け付け、相談者の意向も確認しながら必要な対応につなげる | 法令違反など幅広い通報を受け付け、公益通報に該当する場合は法令に沿った対応を行う |
| ハラスメントへの対応 | パワハラに該当するか明確でない相談も含めて受け付け、必要に応じて事実確認や相談者への配慮などを行う | パワハラに関する相談を受付対象に含める運用も可能。ただし、すべてのパワハラ相談が公益通報に該当するわけではない |
実際には、内部通報窓口でハラスメントに関する相談・通報も受け付けるなど、窓口を兼用している企業もあります。その場合でも、すべてのパワハラ相談を公益通報として扱うのではなく、それぞれの制度上の要件を整理したうえで、受付方法や対応フローを設計することが大切です。
内部通報制度を経由してパワハラの通報を受けた場合の対応は、内部通報制度でパワハラの通報を受けた企業が取る対応。制度を機能させるポイントも解説で解説しています。対応の基本は共通する部分が多いものの、本記事では相談窓口の運用と、相談を受けた後の対応フローを中心に取り上げます。また、内部通報窓口そのものの概要や社内・社外・併用の運用パターンは、内部通報窓口の設置と運用。社内・社外・併用の3パターンと費用・運用ルールで詳しく解説しています。
パワハラ相談窓口を運用する際のポイント
パワハラ相談窓口を適切に機能させるには、窓口を設置するだけでなく、従業員が相談しやすく、相談後も適切に対応できる体制を整える必要があります。企業が相談窓口を設置・運用する際は、主に以下の4つのポイントを押さえておくことが大切です。
- 相談者が使いやすい複数チャネルを用意する
- 匿名相談にも対応し継続的にやり取りできるようにする
- 5W1Hで初期ヒアリングを標準化する
- 情報へのアクセス権限とエスカレーションルールを決める
相談者が使いやすい複数チャネルを用意する
パワハラ相談窓口は、相談者が利用しやすいよう、複数のチャネルを用意することが大切です。相談方法が限られていると、勤務状況や相談内容によっては利用しにくく、相談をためらう原因にもなります。
具体的には、以下のようなチャネルが挙げられます。
- 電話
- メール
- Webフォーム
- チャット
複数の選択肢を用意し、勤務時間外や外出先からでも相談できるようにすることで、従業員が自分の状況に合った方法で相談しやすくなります。そのため、相談窓口を設置する際は、特定の方法に限定せず、従業員の働き方や利用環境に合わせて相談手段を選べるようにすることが大切です。
NaLaLysのAI通報窓口は、AIが24時間365日、相談の受付から一次ヒアリングまでを支援するサービスです。専用URLからPC・スマートフォンで利用でき、勤務時間外や社外からの相談にも対応できます。時間や場所を問わず利用しやすいパワハラ相談窓口を整備する方法として、こうしたサービスの活用も選択肢となります。
匿名相談にも対応し継続的にやり取りできるようにする
匿名で相談できる仕組みを用意することで、氏名を明かすことに不安がある従業員も相談しやすくなります。特に、行為者が直属の上司や管理職の場合は、相談したことが知られるのを恐れて声を上げにくいケースも考えられます。
ただし、匿名相談では相談者を特定できないため、追加で確認したい事項が生じた際に連絡できる仕組みも必要です。
例えば、受付番号や匿名チャットなどを活用し、相談者の氏名を明かさなくても追加の質問や回答ができる仕組みを用意する方法があります。匿名性を維持したまま継続的にやり取りできるようにしておけば、初回の相談だけでは不足していた情報を追加で確認できます。
相談窓口を設計する際は、匿名で相談できるかどうかだけでなく、相談後の事実確認や対応に必要な情報を継続して収集できる仕組みまで整えておく必要があります。
5W1Hで初期ヒアリングを標準化する
パワハラ相談の初期ヒアリングでは、担当者によって確認内容にばらつきが出ないよう、5W1Hを基本として聞き取る項目を標準化します。最初の段階で必要な情報を整理しておくことで、その後の事実確認や対応方針の検討を進めやすくなります。
5W1Hに沿ってヒアリングすることで、以下のようなメリットがあります。
- 必要な情報の聞き取り漏れを防ぎやすい
- 担当者によるヒアリング内容のばらつきを抑えられる
- 相談内容を客観的に整理しやすい
- 追加で確認すべき情報を把握しやすい
- その後の調査や対応へ引き継ぎやすい
ただし、相談者に質問を続けるだけでは、心理的な負担を与える可能性があります。あらかじめ確認項目を整理しつつ、相談者の状況にも配慮してヒアリングを進める必要があります。
情報へのアクセス権限とエスカレーションルールを決める
パワハラ相談では、相談内容や相談者の個人情報が不用意に共有されないよう、情報へアクセスできる担当者を必要最小限に制限する必要があります。相談窓口の担当者だけでなく、調査や対応の過程で「誰がどの情報まで確認できるのか」をあらかじめ明確にしておくと、情報の不必要な拡散を防ぎやすくなります。
あわせて決めておきたいのが、通常の対応ルートでは処理が難しい相談を誰に引き継ぐのかというエスカレーションルールです。例えば、以下のようなケースが考えられます。
- 直属の上司が行為者となっている
- 相談窓口の担当者や人事担当者が関係している
- 役員や経営者が行為者となっている
こうしたケースでは、通常の指揮命令系統のなかで対応すると、客観性を確保することが難しくなる可能性があります。そのため、外部の弁護士へ相談・報告するなど、通常の指揮命令系統から切り離したエスカレーションルートをあらかじめ設けておくことも有効です。
誰が関係する相談であっても適切な対応につなげられるよう、アクセス権限とあわせて「どのような場合に、誰へ引き継ぐのか」まで明確にしておく必要があります。
企業がパワハラ相談を受けた後の対応フロー
パワハラ相談を受けた後は、相談内容を聞くだけで終わらせず、事実確認から当事者への対応、再発防止まで適切な手順で進める必要があります。企業における基本的な対応フローは、以下の5ステップです。
- 1.相談を受け付けて緊急性と相談者の希望を確認する
- 2.5W1Hと証拠・関係者情報を整理する
- 3.相談者・行為者・関係者から事実確認を行う
- 4.確認結果に応じて相談者・行為者へ適切に対応する
- 5.相談者へ対応状況を共有し再発防止までつなげる
事実確認の具体的な進め方は、ハラスメント調査の進め方を6ステップで解説。調査におけるポイントと注意点も解説で調査のステップとポイントを整理しています。
1.相談を受け付けて緊急性と相談者の希望を確認する
パワハラ相談を受け付けたら、まず相談内容を聞き取り、緊急性と相談者がどのような対応を希望しているのかを確認します。相談を受けた時点ですぐに調査や行為者への聞き取りを始めるのではなく、相談者の状況を把握することが先決です。
この段階では、主に以下の2点を確認します。
- 相談者の安全確保など、すぐに対応すべき状況ではないか
- 相談者が企業にどのような対応を希望しているか
特に、暴力や脅迫を受けている、行為者との接触によって被害が続くおそれがあるなど、緊急性が高い場合には、通常の調査よりも相談者の安全確保を優先して対応する必要があります。
また、「まず話を聞いてほしい」「事実関係を調査してほしい」「行為者との接触を避けたい」など、相談の目的や希望はさまざまです。初期対応では緊急性と本人の希望を確認し、その結果を踏まえて次の事実確認や対応へつなげます。
2.5W1Hと証拠・関係者情報を整理する
パワハラ相談を受け付けた後は、事実確認に必要な情報を5W1Hに沿って整理します。相談者の話をそのまま記録するだけでなく、「いつ・どこで・誰が・何をしたのか」などを整理することで、確認できている事実と追加で確認すべき情報を把握しやすくなります。
例えば、上司から部下へのパワハラ相談を受けた場合は、以下のように整理できます。
| 5W1H | 確認する内容 | 具体例 |
|---|---|---|
| When(いつ) | 行為があった日時・期間・頻度 | 8月20日の会議中、同様の発言が以前にも数回あった |
| Where(どこで) | 行為があった場所 | 社内の会議室 |
| Who(誰が・誰に) | 行為者・相談者・その場にいた人 | 上司から部下へ、同僚2名が同席 |
| What(何を) | 具体的にどのような言動があったか | 大声で叱責され、侮辱的な発言を受けた |
| Why(なぜ) | 行為者が示した理由やきっかけ | 業務上のミスを理由に叱責された |
| How(どのように) | 行為の方法や状況 | 他の従業員がいる前で大声で発言された |
あわせて、メールやチャットの履歴、録音などの証拠が残っているか、その場にいた関係者がいるかも確認します。初期段階でこれらの情報を整理しておけば、次のステップとなる相談者・行為者・関係者への事実確認を進めやすくなります。
3.相談者・行為者・関係者から事実確認を行う
事実確認に必要な情報を整理したら、相談者だけでなく、行為者や関係者からも聞き取りを行います。一方の主張だけで判断せず、それぞれの話を確認しながら事実関係を整理していくことが必要です。
事実確認では、それぞれの対象者から以下のような内容を聞き取ります。
- 相談者:具体的な言動や経緯、被害状況など
- 行為者:相談内容に対する認識や当時の状況など
- 関係者:その場で見聞きした内容や当時の状況など
それぞれの証言に食い違いがある場合は、聞き取りの内容を比較し、必要に応じてメールやチャット、録音などの客観的な証拠も確認します。また、聞き取りによって新たな事実や関係者が判明した場合には、追加の確認が必要になることもあります。
この段階では、担当者の印象や一方の証言だけでパワハラの有無を判断せず、複数の情報を照らし合わせながら事実関係を整理することが求められます。
4.確認結果に応じて相談者・行為者へ適切に対応する
事実確認が完了したら、その結果に応じて相談者と行為者への対応を検討します。パワハラに該当すると判断された場合だけでなく、事実関係を十分に確認できなかった場合なども含め、状況に応じた対応が必要です。
パワハラの事実が確認された場合には、例えば以下のような対応が考えられます。
- 相談者と行為者を引き離すための配置転換
- 行為者に対する注意や指導
- 就業規則などに基づく懲戒処分
- 相談者の就業環境を改善するための措置
一方で、事実関係を十分に確認できなかった場合でも、それだけを理由に対応を終了するのではなく、職場環境に問題がないかを確認するなど、相談内容や確認結果に応じて必要な対応を検討します。
どのような措置を講じるかは一律ではないため、確認できた事実や問題の程度などを踏まえ、個別の状況に応じて判断する必要があります。
5.相談者へ対応状況を共有し再発防止までつなげる
事実確認と必要な措置を行った後は、相談者に対応状況を共有します。相談を受け付けたまま経過が伝えられない状態が続くと、相談者が「適切に対応してもらえているのか」と不安を感じる可能性があるためです。
ただし、行為者への処分内容など、すべての情報を相談者に開示できるとは限りません。共有できる範囲を踏まえたうえで、調査や対応の進捗、今後の対応などを伝えます。
また、個別の相談への対応だけで終わらせず、同様のパワハラを繰り返さないための再発防止策につなげることも必要です。例えば、以下のような取り組みが考えられます。
- 社内ルールや相談体制の見直し
- 従業員や管理職への研修
- 職場環境や管理体制の改善
- 相談後の状況の継続的な確認
パワハラの原因や発生した背景を踏まえて必要な施策を検討し、実施後も状況を確認することで、再発防止につなげます。
具体的な再発防止策は、ハラスメントの再発防止策8選。処分だけで終わらせない進め方と防止事例を紹介で8つの類型に整理して解説しています。
パワハラ相談対応で企業が避けるべき対応
パワハラ相談への対応方法を誤ると、相談者の負担をさらに大きくしたり、相談窓口への信頼を損ねたりする可能性があります。相談を受けた企業は、特に以下の3つの対応を避ける必要があります。
- 相談を軽く扱う
- 相談者の同意や必要性を考えず情報を広げる
- 相談後の配置・評価などで不利益を与える
相談の受付から事実確認、その後の対応まで、相談者の立場や情報の取り扱いに配慮しながら進めることが求められます。
相談を軽く扱う
パワハラの相談を受けた際に、「その程度ならよくあること」「本人にも原因があるのではないか」などと相談内容を軽く扱うことは避ける必要があります。相談者が受けた行為の程度を担当者の主観だけで判断すると、必要な事実確認や対応が行われない可能性があります。
また、相談を受けた段階では、パワハラに該当するかどうかが明確になっていないケースもあります。そのため、最初から「パワハラではない」と決めつけるのではなく、まず相談内容を受け止め、具体的な言動や状況を確認することが必要です。
相談者の訴えを軽視すると、その後の相談をためらわせるだけでなく、相談窓口そのものへの信頼を損なう原因にもなります。相談内容にかかわらず、必要な情報を確認したうえで対応方針を判断することが求められます。
相談者の同意や必要性を考えず情報を広げる
パワハラの相談内容は、調査や対応に必要だからといって、社内で自由に共有してよいものではありません。相談者の同意や情報共有の必要性を十分に考えず、上司や行為者、他部署などへ不用意に相談内容を伝えると、相談者に不安を与え、相談窓口への信頼を損ねる可能性があります。
情報を共有する際は、例えば以下の点を明確にしておく必要があります。
- 誰が相談内容にアクセスできるのか
- 誰にどの範囲まで情報を共有するのか
- 事実確認や対応のために共有が必要か
- 相談者本人の同意を確認する必要があるか
事実確認を進めるうえで、行為者や関係者などへの情報共有が必要になる場合もあります。そのため、情報共有そのものを避けるのではなく、調査や対応に必要な共有と、それ以外の不用意な共有を区別することがポイントです。
あらかじめアクセス権限や情報の共有ルールを定め、必要な範囲に限定して相談者の情報を取り扱うことで、相談者のプライバシーを守りながら対応を進めやすくなります。
相談後の配置・評価などで不利益を与える
パワハラについて相談したことや、事実確認に協力したことを理由として、相談者や協力者に解雇その他の不利益な取り扱いをすることは禁止されています。
相談した従業員が不利益を受けるような運用では、本人だけでなく、ほかの従業員が相談窓口の利用をためらう原因にもなります。
特に、相談後に以下のような対応を行う場合は、相談を理由とした不利益な取り扱いになっていないか注意が必要です。
- 解雇や雇止めを行う
- 人事評価を変更する
- 昇進や昇給について判断する
- 配置転換や業務変更を行う
これらの対応自体が禁止されているわけではなく、パワハラ相談とは別の理由に基づいて行われる場合もあります。
そのため、相談後に人事上の判断を行う際は、その根拠を記録し、必要に応じて複数の担当者で確認できる体制を整えておくことが有効です。
パワハラ相談への対応に関するよくある質問
受付や対応の場面で判断に迷いやすい点を整理します。
Q. パワハラ相談窓口の設置は、中小企業にも義務付けられていますか。
企業規模を問わず、すべての事業主が対象です。措置義務は大企業では2020年6月1日から適用され、中小企業も2022年4月1日から対象となりました。従業員数の少ない企業でも、相談に応じ、適切に対応するために必要な体制を整えることが求められます。
Q. パワハラ相談窓口の運用を社外に委託することはできますか。
社外の専門機関に相談の受付を委託する運用も可能です。法令上求められているのは、窓口をあらかじめ定めて従業員に周知し、相談に適切に対応できる体制を整えることであり、受付を社内と社外のどちらに置くかは各企業の判断に委ねられています。委託する場合は、受け付けた相談を社内の事実確認につなげる連携方法と、情報を共有する範囲をあらかじめ決めておく必要があります。
Q. 匿名の相談で相談者の協力が得られない場合も、事実確認を行う必要がありますか。
匿名の相談であっても、職場環境に関わる情報として受け止め、内容に応じて対応を検討します。ただし相談者に追加の確認ができない場合、事実確認の範囲は限られます。その場合は、関係者への聞き取りやメール・チャットの履歴など相談者以外から確認できる情報で状況を把握し、確認できた事実に応じて職場環境の改善を検討します。
Q. 行為者が「相談内容は事実と異なる」と否認した場合はどう対応しますか。
一方の主張だけで判断せず、双方の説明と客観的な情報を照らし合わせて事実関係を整理します。行為者にも、問題とされている事実を把握し説明する機会を与える必要があります。証言に食い違いがある場合は、メールやチャットの履歴や同席していた関係者への聞き取りを確認し、確認できた事実の範囲で判断します。
パワハラ相談窓口の設置はNaLaLysの「AI通報窓口」
パワハラ相談窓口では、従業員が相談しやすい受付体制を用意するだけでなく、相談内容の整理や情報管理、その後の対応まで適切に進められる仕組みが必要です。一方、相談の受付やヒアリング、案件管理を担当者だけで行うと、聞き取り内容にばらつきが生じたり、記録管理の負担が大きくなったりすることがあります。
NaLaLysの**「AI通報窓口」は、AIチャットボットがパワハラをはじめとした相談・通報の一次受付からヒアリングまでを支援**するサービスです。24時間365日利用でき、相談内容の整理からその後の案件管理まで一元的に行えます。

主な特徴は以下のとおりです。
- AIが24時間365日、相談・通報の一次受付に対応
- 「いつ・誰が・何をしたか」などを5W1Hで整理・可視化
- 記名・匿名にかかわらず相談者との継続コミュニケーションが可能
- ダッシュボードで案件の対応状況や記録を一元管理
- 閲覧・対応できる担当者のアクセス権限を管理
- 国内サーバーでデータを管理し、入力データのAI学習利用なし
専用URLからPC・スマートフォンで利用できるため、勤務時間外や社外からでも相談できます。また、AIが必要な情報を対話形式でヒアリングすることで、担当者による聞き取り内容のばらつきを抑え、パワハラ相談の初期対応を標準化しやすくなります。

パワハラ相談窓口の新設や見直し、現在の相談受付・ヒアリング・案件管理にかかる負担の軽減には、NaLaLysの「AI通報窓口」が選択肢の一つとなります。
⇨ NaLaLysのAI通報窓口に関するお問い合わせ