2026/03/25
解説
コンプライアンス違反対策とは?企業が取るべき4つの対策ステップを解説
「コンプライアンス違反のニュースをよく見るようになった」「自社でもコンプライアンス違反が起こるのでは?」と考える人は多いのではないでしょうか。コンプライアンス違反は法律や条例、社内規則、社会規範などに反する行為のことです。発生すると社会的信頼の低下にもつながるなど、企業に大きな影響を与えます。そこでこの記事では
- コンプライアンス違反の概要
- コンプライアンス違反対策の具体例
- 実際にコンプライアンス違反が発生した時の対策ステップ
などについて詳しく解説します。コンプライアンス違反はどの企業でも発生する可能性があるため、他人事とは考えず、対策を検討できるようにしておきましょう。
NaLaLysは、コンプライアンス違反対策に活用できるメールモニタリングツールです。AIが不正リスクの高いメールやチャットを抽出してくれるため、効率よくコンプライアンス違反が起こっていないか確認できます。コンプライアンス違反対策をこれから始めようとしている企業にもおすすめのツールであるため、ぜひ導入を検討してみてください。
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目次
コンプライアンス違反とは?
コンプライアンス違反とは、企業などの組織が守らなければならない法律や条例、社内規則、社会規範・常識に反する行為のことです。そもそもコンプライアンスとは、企業が法律や条例といったルールを守りながら正しく行動することを意味します。
近年では、法律の遵守だけでなく、公正かつ適切な企業活動を通して社会的な責任を果たすこともコンプライアンスの要素の1つと考えられています。そのため、たとえ法律違反ではなくても、社会的な常識や規範から逸脱していると判断されればコンプライアンス違反となるため注意しなければなりません。例えば、会社のお金を横領することは当然ながら法律違反ですが、個人的な飲食を経費として処理することは法律違反にはならない可能性があるものの、コンプライアンス違反と判断される恐れがあります。
コンプライアンス違反が起こると、企業の信用低下や取引停止、損害賠償請求などにつながる可能性があります。場合によっては企業のブランドイメージが大きく損なわれ、売上や経営にも影響を及ぼす恐れがあるため、日頃から組織全体でコンプライアンスを意識した行動が求められます。
コンプライアンス違反企業の倒産件数
帝国データバンクによると、2025年に発生したコンプライアンス違反に関連する倒産は278件でした。2024年と比較すると件数はやや減少しているものの、過去10年で見ると増加傾向にあります。

出典:帝国データバンク
コロナ禍の期間は、金融機関が新型コロナ関連融資や返済猶予の相談対応など、企業の資金繰り支援を優先していたため、コンプライアンス問題が表面化しにくい状況でした。その結果、一時的にコンプライアンス違反による倒産件数は抑えられていたと考えられます。
しかし、2022年以降のアフターコロナでは、資金繰りの悪化により金融機関と返済猶予や借り換えの協議を行う企業が増える中で、不正や不適切な会計処理などのコンプライアンス違反が発覚するケースが増加。2025年はこうした一連の動きが落ち着いたとみられ、件数としては減少していますが、依然としてコロナ前を上回る水準です。
コンプライアンス違反の4分類
コンプライアンス違反と一言でいっても、その種類はさまざまであり、大きく以下の4つに分類されます。
- 法令や条例に違反する行為
- 社会的信用を損なう行為
- 就業規則に関わる違反
- 情報漏洩につながる違反

同じコンプライアンス違反でも特徴や内容が異なるため、それぞれを正しく理解しておくことが大切です。ここではこれら4種類の概要について解説します。
法律や条例に反する行為
コンプライアンス違反の中でも、特に重大とされるのが法律や条例に反する行為です。企業活動ではさまざまな法律が関係しており、これらに違反すると行政処分や罰則の対象となる可能性があります。代表的な例としては、次のようなものがあります。
- 残業代の未払い:労働基準法違反
- インサイダー取引:金融商品取引法違反
- 個人情報の不適切な取り扱い:個人情報保護法違反
など
そもそも法令とは、企業や個人が社会の中で活動する際に守るべきルールの総称です。代表的なものには、国会で制定される法律のほか、行政機関が定める政令・府令・省令などが挙げられます。また、自治体が地域ごとに定めている条例や規則も、企業活動において遵守すべきものです。
企業は事業を行う過程で、これらの法令や条例を適切に守ることが求められます。万が一違反が発覚すると、法的なペナルティを受ける可能性があるほか、社会的信用の低下や取引先との関係悪化などにつながり、経営に大きな影響を及ぼすおそれもあります。
そのため、法令遵守を企業活動の基本として位置づけ、従業員一人ひとりがコンプライアンスを意識して行動できる環境を整えることが重要です。
社会的信用を損なう行為
コンプライアンス違反には、法律違反には該当しないものの、企業の社会的信用を損なう可能性がある行為も含まれます。こうした行為は法的な罰則が伴わない場合もありますが、企業イメージの低下や取引先との関係悪化につながるため、軽視することはできません。
例えば、次のような行為が挙げられます。
- パワーハラスメント
- セクシュアルハラスメント
- 差別的な発言や対応
など
こうした行為は、必ずしも法律で明確に禁止されているわけではありません。しかし、企業には社会の一員として、公序良俗や社会規範を意識した活動を行うことが求められています。社会から期待される行動基準を守ることは、企業が信用を維持するためにも欠かせません。
そのため、多くの企業ではハラスメント防止の研修や社内ルールの整備などを通じて、社会規範に沿った組織運営を目指すことが大切です。
就業規則に関わる違反
社内の就業規則に反する行為もコンプライアンス違反の一つです。こうした違反は法令違反ほど重大ではないケースもありますが、組織の秩序を保つうえで重要な問題とされています。
例えば、次のような行為が就業規則違反にあたる可能性があります。
- 無断欠勤や度重なる遅刻・早退
- 会社の備品や設備の私的利用
- 社内情報の不適切な取り扱い
- 業務中の私的なSNS利用や副業規定違反
など
そもそも就業規則とは、従業員の働き方に関するルールを定めた社内規程のことです。具体的には、労働時間や賃金、休暇、服務規律など、職場で守るべき基本的なルールがまとめられています。企業が就業規則を整備することは、従業員に対して公正で公平な労働環境を提供するための基盤を整えることにもつながります。
そのため、就業規則を守ることは単なる社内ルールの遵守にとどまらず、企業全体のコンプライアンスを支える重要な要素といえるでしょう。
情報漏洩につながる違反
コンプライアンス違反の中でも特に注意が必要なのが、情報漏洩につながる行為です。情報管理の不備や従業員の不適切な対応によって、企業が保有するデータが外部に流出してしまうケースがあります。具体的には、次のような行為が情報漏洩の原因となることがあります。
- 顧客データの誤送信・紛失
- パスワードの使い回し
- 社外での機密情報の閲覧
- USBメモリなどの外部媒体によるデータの持ち出し
など
情報漏洩というと個人情報の流出をイメージしがちですが、それだけでなく、営業資料や技術情報など企業の機密情報が外部に漏れるケースも含まれます。特に顧客の個人情報が流出した場合、企業の信用が損なわれるだけでなく、被害を受けた顧客にも深刻な影響が及ぶ可能性があります。
また、情報管理体制が十分に整っていない企業では、こうした問題が発生しやすいです。本人に情報漏洩をする意図がなくても起こり得るものであるため、日頃から適切な管理体制を整え、未然に防ぐ取り組みを整備することが大切です。
メールも情報漏洩をはじめとしたコンプライアンス違反に使われる恐れがあるものです。そのため、日常的にメールをモニタリングできる仕組みを整えておくことが求められます。NaLaLysであれば、AIがコンプライアンス違反のリスクが高いものを自動で抽出してくれるため、手間をかけることなく効率よくメールモニタリングが行えます。コンプライアンス違反対策の1つとしてぜひ導入を検討してみてください。
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コンプライアンス違反の対策例
コンプライアンス違反を起こさないためにも、企業は日頃から対策を立てておくことが求められます。一方で、対策にはさまざまなものがあるため、自社では何ができるのか、何をするべきなのかわからない人もいるでしょう。そこでここでは、コンプライアンス違反の具体的な対策例を紹介します。ここで取り上げるのは以下の通りです。
- 社内ルールと運用体制を整備する
- コンプライアンス教育・研修を実施する
- 内部通報制度を整備する
- 業務プロセスの透明性を高める
- コンプライアンス違反を検知する仕組みを作る
コンプライアンス違反を社内で起こさせないためにも、ぜひ参考にしてください。
社内ルールと運用体制を整備する
コンプライアンス違反を防止するためには、まず社内ルールを明確にし、それを運用する体制を整えることが重要です。企業としてどのような行為が禁止されているのかを具体的に示すことで、従業員が判断に迷う状況を減らすことにつながります。
例えば、就業規則やコンプライアンス規程を整備し、違反が発生した場合の対応方法や懲戒の基準まで明確にしておくと、社員は「何が問題となる行為なのか」を把握できます。社内ルールには、次のような内容を盛り込むことが一般的です。
- 規程の目的や適用範囲
- 従業員が守るべき具体的なルール
- コンプライアンスに関する組織体制や責任者
- 違反が発覚した場合の対応手順や懲戒基準
など
さらに、日常の業務に関するマニュアルや手順書を整備することも、違反を防ぐうえで有効です。業務の進め方を明確にすることで、担当者ごとの判断に依存しにくい体制をつくることができます。
なお、マニュアルとして手順を示すだけでなく、コンプライアンス違反となるケースと、問題とならないケースを具体的に示すことが重要です。例えば情報管理のルールであれば、顧客データの社外持ち出しは禁止する一方、社内での共有は一定の条件下で認めるなど、具体的な判断基準を示しておくことで実務上の混乱を防ぐことができます。
コンプライアンス教育・研修を実施する
コンプライアンス違反を防ぐためには、社内ルールの整備だけでなく、従業員一人ひとりがコンプライアンスを遵守する意識を持ち、適切に行動できる状態をつくることが重要です。
コンプライアンス違反の中には、故意ではなく知識不足や認識の甘さが原因となって発生するケースも。こうしたリスクを減らすためには、従業員がコンプライアンスの考え方を理解し、日常業務の中で意識できるようにする必要があります。
なお、コンプライアンス教育は一度実施するだけでは十分とはいえません。法令や社会環境の変化に対応するためにも、定期的に研修を行い、継続的に意識を高めていくことが求められます。研修の内容は、従業員の立場や役割に応じて設計することが重要です。例えば、次のように対象者ごとにテーマを設定することができます。
研修の実施方法としては、専門家によるセミナーのほか、eラーニングの活用もおすすめです。こうした取り組みを通じて、従業員が日常業務の中でコンプライアンスを意識できる環境を整えることが大切です。
内部通報制度を整備する
コンプライアンス違反を早期に発見するためには、従業員が問題に気づいた際に安心して相談や報告ができる仕組みを整えておくことが重要です。この点から、多くの企業では内部通報制度を導入し、社内で不正や不適切な行為が疑われる場合に報告できる窓口を設けています。
内部通報制度では、匿名で通報できるようにすることで、社員の通報のハードルを低くすることが可能です。これによって、表面化しにくい社内不正やハラスメントなども把握しやすくなります。社員が「通報したことで不利益を受けるのではないか」と不安を感じていると、違反があっても報告されないまま放置される可能性があり、コンプライアンス違反の把握・防止が難しくなります。
また、通報を受けた際に迅速に対応できる体制を整えておくことも重要です。例えば、社内に専用の相談窓口を設置し、担当部署が事実確認や対応を行えるようにしておくことで、問題が拡大する前に対処しやすくなります。

さらに、弁護士事務所など社外の第三者機関を通報窓口として設ける方法もあります。外部の専門家が対応することで、通報者の匿名性を確保しやすくなり、より安心して相談できる環境を整えることができます。
関連記事:内部通報制度は“ある”だけでは不十分:「沈黙」を防ぐための制度設計 | NaLaLys
業務プロセスの透明性を高める
コンプライアンス違反を防ぐためには、業務プロセスをできるだけ明確にし、誰がどの作業を行ったのかを確認できる状態にしておくことが重要です。業務プロセスが不透明なままだと、不正やミスが発生しても発見が遅れてしまう可能性があります。
そのため、まずは社内の業務内容を整理し、どのようなリスクが潜んでいるのかを洗い出すことが必要です。例えば、特定の担当者に権限が集中している業務や、確認手続きが十分でない業務などは、不正や情報漏洩などのコンプライアンス違反が発生するリスクが高いといえます。こうしたリスクを把握したうえで、次のような対策を検討します。
- 業務フローを文書化し、担当者や承認手順を明確にする
- 作業履歴やデータの変更履歴を記録として残す
- 複数人で確認する仕組みを導入する
- システムを導入して記録が残る仕組みを作る
など
業務の流れを可視化し、記録が残る仕組みを整えることで、コンプライアンス違反が起こりにくい環境をつくることができます。また、問題が発生した場合でも原因を特定しやすくなり、再発防止策を立てやすくなるというメリットもあります。
コンプライアンス違反を検知する仕組みを作る
コンプライアンス対策では、違反を未然に防ぐ取り組みだけでなく、問題が発生した際に早期に気づける仕組みを整えることも重要です。どれだけルールを整備し、教育を徹底していても、すべての不正行為を完全に防ぐことは難しいためです。
そのため、業務の記録や通信履歴を確認できる体制を整え、異常な行動や不審なデータのやり取りを把握できるようにする必要があります。こうした仕組みがあることで、問題が発生した場合でも早い段階での対応が可能です。
具体的な方法の一つとして挙げられるのが、メールの利用状況を監視する仕組みです。例えば、機密情報を含むメールの送信や大量のデータ送付など、通常とは異なる通信を検知することで、情報漏洩や内部不正といったコンプライアンス違反の兆候を把握できる可能性があります。
メールは企業内外とのやり取りに広く利用されているため、不正や情報漏洩が発生する経路の一つとなることも少なくありません。メールの利用状況を適切に把握し、必要に応じて確認できる体制を整えておくことが、コンプライアンス違反の早期発見につながります。
NaLaLysでは、不正リスクをAIがスコア化し、リスクの高いものを抽出してくれます。また、専門家のノウハウに基づいた調査キーワードを活用できるほか、ユーザー設定によるキーワードも利用できるなど、柔軟かつ効率的なメール監視が可能です。コンプライアンス違反対策の一つとしてぜひ導入を検討してみてください。
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以下の記事でメール監視の重要性について解説しています。こちらも合わせてチェックしてみてください。
参照記事:メール監視とは?不正防止に役立つ理由と企業が知るべき重要性を解説
コンプライアンス違反が起きた場合の対策ステップ
ここでは、コンプライアンス違反が起こってしまった時にどのような対策を取ればいいのか、具体的なステップを紹介します。ここで解説するステップは以下の通りです。
- 事実関係を確認し初動対応を行う
- 調査体制を整備し客観的に事実を調査する
- 違反内容に応じた処分・是正措置を決定する
- 社内外への説明と信頼回復対応を行う
コンプライアンス違反はどの企業でも起こり得るものであるため、万が一の事態に備えるためにも、対策ステップを理解しておきましょう。
1.事実関係を確認し初動対応を行う
コンプライアンス違反が疑われる事案が発生した場合、最初に事実関係の確認と初動対応を行う必要があります。状況を正確に把握していないにも関わらず判断を下してしまうと、問題の拡大やトラブルにつながる可能性があるため注意しなければなりません。
事実関係を確認するには、関係者へのヒアリングや関連資料のチェックを行い、どのような事象が発生したのかを整理します。また、情報の改ざんや証拠の消失を防ぐため、関連するデータや記録を保全することも重要です。初動対応の例としては、次のような対応が挙げられます。
- 関係者への聞き取り
- メールや業務記録などの証拠となるデータの保存
- 被害拡大を防ぐための一時的な業務停止や権限停止
- 社内の責任部署への速やかな報告
など
この段階においては、客観的な事実を整理することが重要です。冷静に状況を把握し、必要に応じて社内の担当部署や専門家と連携しながら対応を進めることで、その後の調査や是正措置を適切に進めやすくなります。
2.調査体制を整備し客観的に事実を調査する
初動対応によって大まかな状況を把握した後は、正式な調査体制を整備し、客観的に事実関係を調査する段階に移ります。コンプライアンス担当部署や法務部門などを中心に、調査を担当するチームを設置します。必要に応じて外部の弁護士や専門家に協力を依頼することで、より客観的で公正な調査を行うことも可能です。
調査では、初動対応で把握した情報をもとに、違反の有無や発生の経緯、組織的な問題がなかったかなどを整理していきます。単なる事実確認にとどまらず、なぜ問題が発生したのかという原因の特定まで行うことが重要です。そのため、調査では次のような観点から検証が進められます。
- 事案が発生した経緯や背景の整理
- 社内ルールや業務プロセスとの整合性の確認
- 管理体制やチェック体制に問題がなかったかの検証
- 組織的な要因や再発リスクの分析
など
このように多角的に検証することで、単に違反の有無を確認するだけでなく、問題の根本的な原因の解明にもつながります。また、調査結果をもとに、適切な処分や再発防止策を検討することも可能です。
3.違反内容に応じた処分・是正措置を決定する
調査によって事実関係が明らかになった後は、その結果をもとに違反内容に応じた処分を決定する段階に進みます。対応が不適切であると、社内の規律が損なわれたり、同様の問題が再び発生したりする可能性があるため、慎重に判断することが重要です。
処分の内容は、違反の程度や影響の大きさ、故意か過失かといった要素を踏まえて検討されます。一般的には、社内規程や就業規則に基づき、適切な処分を決定します。措置の例は以下の通りです。
- 注意・指導や厳重注意
- 減給や出勤停止などの懲戒処分
- 配置転換や業務内容の見直し
- 解雇や法的措置の検討
など
また、再発防止のための是正措置を講じることも重要です。業務プロセスの見直しや社内ルールの改訂、追加の教育・研修の実施などを行うことで、同じようなコンプライアンス違反が起こりにくい環境を整えることができます。
4.社内外への説明と信頼回復対応を行う
コンプライアンス違反が発生した場合、問題への対応だけでなく、社内外への適切な説明と信頼回復に向けた対応も重要です。対応が不十分な場合、企業に対する不信感が広がり、
「あの会社はコンプライアンスが低い」
と、取引先や顧客との関係に影響を及ぼす可能性があります。
社内に対しては、調査結果や対応方針を関係部署に報告・共有し、再発しないよう注意喚起を行います。違反の内容や原因を従業員が理解することで、コンプライアンス意識の向上にもつながります。影響が社外に及んでいる場合には、取引先や顧客などの関係者に対して状況を説明し、必要に応じて謝罪や再発防止策を伝えることが求められます。
状況によっては、公式発表や報告書の公表などを通じて情報を開示するケースもあります。信頼回復のためには、問題の隠蔽を避け、透明性のある対応を行うことが重要です。原因を明確にし、具体的な再発防止策を示すことで、企業としての責任ある姿勢を示すことができます。
以下の記事では、企業で不祥事が発生した際の具体的な行動について解説しています。こちらもぜひ参考にしてみてください。
参照記事:企業不祥事、その時どう動く?発覚から再発防止まで全フローを徹底解説
コンプライアンス違反の事例と対策
ここでは、実際にコンプライアンス違反が発生した企業の事例を紹介します。なぜ違反行為が起こったのか、それに対して企業はどのような対策を取ったのかといった点を理解しておくことで、自社で起こったらどうするか検討しやすくなります。ここで取り上げるのは以下の事例です。
- 自動車メーカー|型式指定・認証試験の不正
- IT・インターネット|委託先管理の不備
- 水道局|SNSの投稿による誹謗中傷
どの会社でも起こり得る事例であるため、どういったものなのかぜひチェックしてみてください。
自動車メーカー|型式指定・認証試験の不正
| 違反の概要 | ・型式指定申請に関する認証試験での不正な試験処理や試験成績書の虚偽記載 ・複数の車種やエンジンで不適切な申請が行われていた |
| 対策 | ・発覚後、現行生産車の出荷を自主的に停止 ・第三者委員会による調査を実施 ・組織体制や開発プロセスの見直しなど再発防止策の検討 |
自動車の型式指定は、安全性や性能が基準を満たしているかを確認するうえで重要なものです。しかし、ある自動車メーカーでは、型式指定申請に関する試験において不正行為が行われていたことが発覚しました。
具体的には、前面衝突試験などの認証試験で不正な処理が行われたり、試験結果の記録に不適切な記載があったりするなど、複数の不正が確認されています。この問題を受けて、同社は生産車の出荷を一時的に停止し、第三者委員会による調査を実施しました。
調査では、組織的な要因も明らかになりました。例えば、開発スケジュールが非常に厳しく設定されていたことで、問題が発生しても日程を見直す余裕がなく、最終工程である認証試験に負担が集中していたとされています。また、現場の業務が管理職から十分に把握されていない状況もあり、問題が発生しても適切に共有されにくい環境があったと指摘されています。
この事例は、過度な納期に対するプレッシャーや不十分なチェック体制が重なることで、コンプライアンス違反が発生する可能性があることを示しています。
出典:経済産業省 、Business Journal、ダイヤモンド・オンライン
IT・インターネット|委託先管理の不備
| 違反の概要 | ・パソコンがマルウェアに感染したことをきっかけに、不正アクセスが発生 ・ユーザー情報や取引先情報などの漏えいが確認された |
| 対策 | ・委託先のセキュリティ管理体制の見直し ・モニタリングやリスク評価を強化 ・ネットワーク管理や認証基盤の分離、二要素認証の導入 |
IT企業では、業務を外部の企業に委託するケースがあり、委託先のセキュリティ管理が不十分な場合、情報漏えいのリスクが高まる可能性があります。この事例では、委託先企業の従業員が使用していたパソコンがマルウェアに感染したことをきっかけに、不正アクセスが発生し、ユーザー情報や取引先情報などが漏えいしたことが確認されました。
原因としては、委託先に対する安全管理やシステム運用の体制に課題があったことが指摘されています。そこで、委託先のセキュリティ評価や監督体制の見直しに加え、ネットワークアクセスの管理強化や認証基盤の分離など、システム面の対策が進められました。また、従業員向けシステムにおいても二要素認証の導入などを行い、アクセス管理の強化が図られています。
この事例は、自社のセキュリティ対策だけでなく、委託先を含めた情報管理体制を整備することの重要性を示しています。企業が外部パートナーと連携して業務を行う場合でも、適切な監督やセキュリティ管理を行うことが、情報漏えいのリスクを防ぐうえで重要といえるでしょう。
水道局|SNSの投稿による誹謗中傷
| 違反の概要 | ・水道局職員がSNSで上司や市民を誹謗中傷する投稿をしていたことが発覚 ・匿名アカウントで約40回の不適切な投稿が行われていた |
| 対策 | ・懲戒処分として減給処分を実施 |
ある自治体では、水道局の職員が匿名のSNSアカウントを使い、上司や市民を誹謗中傷する投稿を繰り返していたことが問題となりました。投稿内容は複数回にわたって行われており、別の職員からの情報提供をきっかけに発覚しました。
SNSは匿名で利用できる場合でも、投稿内容や表現から所属先が推測されることがあります。また、一度投稿された内容は削除しても完全に消えるとは限らず、スクリーンショットなどによって拡散される可能性もあります。このような投稿は、組織の信用や社会的評価に大きな影響を与える恐れがあるため避けなければなりません。
実際に不適切な投稿が確認されたため、当該職員には減給処分が科されました。この事例は、従業員のSNS利用が企業や組織の信頼に影響を与える可能性があることを示しています。そのため、コンプライアンス意識を高める研修を行うのと同時に、SNSの利用ルールを明確にし、従業員に対して適切な情報発信を求めることが重要です。
コンプライアンス違反の発生原因
ここでは、コンプライアンス違反が発生する主な原因を紹介します。コンプライアンス違反対策を検討するうえでは、原因を把握しておくことが大切です。原因がわからないまま対策を立ても、全くあっていないものになりかねないためです。ここでは以下のような原因について解説しています。
- 売上・納期のプレッシャーが違反を誘発するケースが多い
- 人の目による監査だけではリスクを見逃しやすい
予防策を検討する際にも役立つ情報であるため、ぜひ参考にしてください。
売上・納期のプレッシャーが違反を誘発するケースが多い
コンプライアンス違反が発生する原因の一つとして挙げられるのが、売上目標や納期などのプレッシャーです。厳しい目標が設定されている企業や部署では、業績を優先するあまり、コンプライアンスを軽視した行動が取られてしまうことがあります。
企業によっては「いつもこうしている」「多少のルール違反は仕方ない」といった慣習がある場合、不正が黙認されやすくなります。その結果、コンプライアンス違反が問題として認識されないままとなる恐れがあります。代表的なケースは以下の通りです。
- 売上を良く見せるための粉飾決算
- 売上目標を達成するための架空請求
- 納期を優先するあまり品質基準や手続きの省略を行う行為
このように、売上や成果を過度に重視する傾向があると、従業員が「結果を出すためには仕方がない」と、不正行為に手を染めるリスクが高まります。コンプライアンス違反を防ぐためには、業績だけでなく倫理的な行動を評価する組織風土を整えることが重要です。
人の目による監査だけではリスクを見逃しやすい
人手によるチェックだけでは見逃してしまうケースもあるくらい、さまざまな言動がコンプライアンス違反になる可能性があり、その点も発生の背景にあります。
コンプライアンス違反の防止には監査やチェック体制が重要ですが、人の目だけに頼った確認には限界があります。例えば、業務をオンライン上で進めるのが一般的となっている現在では、企業が扱うデータが増えており、すべてを手作業で確認することは現実的ではありません。
例えば、メールのやり取りや業務のログ、取引データなどを担当者が一つひとつ確認する場合、確認できる範囲にはどうしても限界があります。その結果、コンプライアンス違反のリスクが潜んでいても気づくことができず、不正や情報漏洩が後になって発覚する可能性もあります。
業務量が増えるほど確認が不十分になり、リスクの早期発見が難しくなる恐れがあるでしょう。このような背景から、大量のデータを効率的に分析し、異常な行動や不審なやりとりを自動的に検知する仕組みが求められています。
次の章では、こうしたコンプライアンス対策を支援する仕組みの一つとして、AIを活用したツールについて紹介します。
コンプライアンス違反を未然に対策できる「NaLaLys」
コンプライアンス違反は、企業の信頼や経営に大きな影響を与える可能性があるものです。しかし、社内ルールの整備や教育だけでは、すべてのリスクを完全に防ぐことは難しいといえます。特に、メールや社内システムを通じた情報のやり取りは量が多く、人の目だけで確認することには限界があります。
そういった時に役立つのが、AIを活用してコンプライアンスリスクを検知する仕組みです。日常的なコミュニケーションに関するデータを分析することで、不審なやり取りや情報漏えいにつながる可能性のある行動など、コンプライアンス違反を早期に把握することができます。

「NaLaLys」は、企業のメールやコミュニケーションデータを分析し、コンプライアンス違反や内部不正の兆候を検知するメールモニタリングツールです。大量のデータを自動で分析することで、人の目だけでは見逃してしまうリスクの早期発見をサポートします。
NaLaLysの特徴は以下の通りです。
- AIが初期調査を行う
- コンプライアンス違反のリスクが高いメールを一覧化する
- リスクをスコア化することでユーザーは高リスクのメールか順にチェックできる
こういった特徴は、以下のような場面で活用できます。
- 機密情報の外部送信など、不審なメールの検知
- 社内規程に反する可能性のあるやり取りの把握
- 不正や情報漏えいにつながる兆候の早期発見
など

NaLaLysのようなツールを導入して、モニタリングを仕組み化することでコンプライアンス違反を未然に防ぐことが可能です。また、コンプライアンス違反が発生した時は、NaLaLysのデータを元に社内不正調査を行うこともできます。企業のリスク管理を強化するためにも、AIを活用した監視体制の整備は重要な対策の一つといえるでしょう。
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