2026/03/18
解説
社内不正調査とは?初動対応・本調査の各ステップや未然に防ぐ方法まで解説
「社内不正のニュースを見て自社でも起こるのではないかと思った」「実際に不正が起こった時はどのように調査を進めるのか気になる」と考える方は多いのではないでしょうか。社内で不正が発生した場合、社内不正調査を実施し、不正の事実確認につながる証拠を収集する必要があります。そこでこの記事では、
- 社内不正調査の概要
- 社内不正調査の具体的な手順と情報収集の手段
- 社内不正を未然に防ぐための方法
などについて詳しく解説します。万が一不正が発生したときに備えておきたい、不正の予防に取り組みたいといった企業の担当者は、ぜひ参考にしてください。
NaLaLysは、生成AIや豊富なノウハウに基づいて、メールやチャットなどから不正リスクの高いものを抽出します。社内不正の予防や不正の事実確認にも役立つツールとなっているため、「不正リスクを小さくしたい」「不正が発生したときにすぐに対応できるようにしたい」という方は、NaLaLysのサービスの活用を検討してみてください。
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目次
社内不正調査とは?
社内不正調査とは、企業内で発生した不正行為を特定したうえで、それに関する証拠を集め、対策を講じるために行う調査のことです。企業内で発生する不正行為にはさまざまなものがあり、
- 横領や賄賂
- 機密情報やデータの漏洩
- 不正会計
- コンプライアンス違反
などその種類はさまざまです。こういった不正行為を特定したうえで、問題解決および処理を行うために社内不正調査は行われます。
社内不正調査は「疑い」の段階で行うこともあります。不正に対する初動が遅れると、関係者の口裏合わせやデータ消去などにより、証拠の確保が難しくなるためです。そのため、調査は迅速さと公平性・守秘性の両立が重要で、状況によっては利害関係の少ない部署や外部専門家が関与するケースもあります。
社内不正の種類
会社にかかわる不正には、さまざまなものがありますが、大きく分けると**「業務にかかわる不正」と「業務とは関係ない不正」**の2種類に分けられます。それぞれの内容は以下のとおりです。
| 区分 | 概要 |
|---|---|
| 業務にかかわる不正 | ・横領・粉飾決算背任 ・賄賂 ・不正取引 ・顧客情報・機密情報流出 など |
| 業務とは関係ない不正 | ・交通事故のひき逃げ ・窃盗 ・万引き ・痴漢 など |
業務にかかわる不正は、会社の業務や取引、社内資産、情報などに関わる不正で、会社に金銭的損害や社会的信用の低下をもたらしやすいのが特徴です。一方の業務とは関係ない不正は、業務外の私生活で起きた不祥事であっても、企業の社会的信用や取引への影響が無視できないケースが該当します。
社内不正は情報の持ち出しが約半数
社内不正にはさまざまな種類がありますが、その中でも特に多いのが情報の持ち出しです。情報は一度コピーされると回収が難しく、気づかないうちに社外へ流出してしまう可能性もあるなど、企業にとって深刻なリスクになりやすい不正だといえます。
デジタルデータソリューション株式会社が行った調査によると、2024年度に社内不正が発生した企業のうち、約半数となる46%が情報の持ち出しに関するものであることがわかりました。

出典:デジタルデータソリューションが2024年度の社内不正被害に関する実態調査を発表
情報持ち出しの中でも、
- 退職者によるもの29%
- 在籍中の従業員によるもの15%
- 派遣社員や業務委託者によるもの2%
となっています。
持ち出される情報には、顧客情報や技術情報といった機密情報のほか、業務に関連するデータなど、競合他社で利用されると企業にダメージを与えかねない情報が多い傾向にあります。
メールによる情報の持ち出しは、NaLaLysを使ったメール監視で防止可能です。NaLaLysは、生成AIや豊富なノウハウに基づいて、メールやチャットなどから不正リスクの高いものを自動で抽出できるツールです。怪しいメールに絞ってチェックできるため、不正対策を効率よく行えます。また、社内不正調査にも活用可能です。
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社内不正調査の流れ
社内不正調査には、初動調査と本調査の2つがあります。まずは流れを理解するために、以下の画像をご覧ください。

初動調査では、通報内容や不正の兆候をもとに、そもそも不正行為があったのか事実確認を行います。関係部署からの情報収集や簡易的なヒアリングを行い、不正の有無と影響範囲を整理する段階です。あわせて、後の調査に影響が出ないよう、必要に応じてデータの保全や関係者への注意喚起なども検討します。
初動調査に続いて本格的に行われるのが本調査です。まず調査チームを組織し、調査範囲や役割分担などを決めたうえで、事実関係の確認を進めます。関係者へのヒアリングと並行して、メールやチャット、会計資料、アクセスログなど客観的資料を収集し、証拠の保全を行います。調査中は社内外に出る情報を適切に管理し、発信の窓口を一本化することが重要です。
初動対応|社内不正調査の方法

社内不正調査を行う場合、初動対応を適切に取れるかどうかは、その後の本調査にも影響するため非常に重要です。ここでは初動対応を4つステップで解説します
- 内部通報者へのヒアリングと保護
- 証拠の保全
- 不正の全体像を仮説・シナリオまで洗い出す
- 調査体制と進め方を決める
初動対応は、社内不正調査の成否の鍵を握るといっても過言ではないため、チェックしてみてください。
1.内部通報者へのヒアリングと保護
不正が発覚するきっかけはさまざまですが、その中でも多いとされているのが内部通報によるケースです。
内部通報によって不正の疑いがわかった場合、まずは内部通報者にヒアリングを行い、具体的にどのような内容であるのか確認します。すべての情報を鵜呑みにするのではなく、情報を分析したうえで更なる調査の必要性や調査範囲などについて検討することが大切です。
また、内部通報の場合、通報者の個人的な不満から「あの人が不正をしている」と通報する可能性もあります。そのため、通報内容の真偽確認は初期段階で行っておかなければなりません。
内部通報者に関しては、通報したことで不利益を被ることがないように保護することも大切です。内部通報したことが他者に知られてしまうようなことがあると、内部通報制度に対する信頼性がなくなってしまうほか、不正に関与した人に社内不正調査を行っていることに気づかれ、証拠を削除されてしまう恐れがあります。
そのため、通報者の氏名や所属、ヒアリング内容は関係者以外がアクセスできないように管理し、共有範囲も必要最小限に留めておきます。
2.証拠の保全
不正行為が疑われた場合、早期の証拠保全が必要不可欠です。これは、不正に関与した人が社内不正調査の存在に気付いた時に、証拠となりそうなデータや書類、メールなどを破棄・削除する恐れがあるためです。
証拠保全は、単に「証拠を集める」だけではなく、調査の前提となる情報を消させないことにあります。証拠を削除されてしまうと、事実関係の特定が難しくなるだけでなく、
- 社内処分
- 再発防止策の検討
- 社外への説明
なども説得力を欠いてしまいます。そのため、疑いが生じた段階で、できるだけ早く保全に着手することが重要です。
また、マスコミによるスクープなどで事案が公になると、社内外の動きが一気に加速し、証拠が消滅するリスクも高まります。そのような場合は、関連書類やメール・ファイル類の破棄・削除を行わないように社内で適切な権限を持つ人材が指示する必要があります。
3.不正の全体像を仮説・シナリオまで洗い出す
証拠を保全したうえで、不正の全体像に関する仮説やシナリオを検討する必要があります。これは、初動対応としてヒアリングや証拠の保全を行ったとしても、情報は限られており、不正の詳細に関してあらゆる可能性が考えられるためです。
例えば、経費精算の金額が通常より高額である場合、次のような複数の可能性が考えられます。
- 単純な入力ミス
- 二重計上などの事務処理ミス
- 私的利用を経費として申請した不正
- 複数人が関与している組織的な不正
このように、複数の可能性を仮説として整理しておくことで、調査の方向性を明確にできます。例えば私的利用の不正が疑われる場合は、過去の精算履歴を確認したり、同様の申請が継続していないかを調べたりすることで、関与範囲や継続性を把握できます。
初動調査の段階では、限られた情報を踏まえて「この不正はどの程度の規模・性質なのか」を仮置きし、調査の優先順位や体制を設計していくことが重要です。
4.調査体制と進め方を決める
仮説やシナリオを踏まえたうえで、具体的な調査体制とどのように進めていくかを決める必要があります。調査体制に関しては、
- 社内でチームを組んで秘密裏に調査を行うのか
- 社内調査委員会の発足を公表したうえで一定の権限を持ったチームを組むのか
- 外部の専門家に委託して行うのか
といった点を決めなければなりません。
調査体制は不正の内容や影響範囲によって適切な形が異なるため注意が必要です。たとえば、社内だけでなく取引先・株主などステークホルダーへの影響も懸念される場合は、透明性のある調査が求められ、調査結果の開示も前提になりやすいため、第三者による調査委員会の設置が必要となることがあります。
本調査|社内不正調査の方法

初動対応を踏まえたうえで更なる調査が必要だと判断した場合、本調査へと移行します。ここでは、本調査では何を行うのか、具体的な方法や手順について解説しています。ここで取り上げているのは以下の内容です。
- 調査体制を決定する
- 調査計画の立案
- 関係者への開示・関係当局への報告
初動対応の方法と合わせて覚えておきましょう。
1.調査体制を決定する
本調査を行うにあたっては、まず調査チームのメンバーを選任し、調査体制を整える必要があります。たとえば、調査範囲が広く、関係者に与える影響が大きいと予想される場合は、調査の網羅性や迅速性が欠かせないため、社外の人材を含めた規模の大きいチームになる可能性があります。
メンバー選定にあたっては、不正に関与した疑いのある人やその人に近しい人をメンバーに含めないことが大切です。調査内容が漏洩し、証拠の削除や破棄といった妨害行為が起こる可能性があります。
そのほかにも、調査体制を整えるうえでは、どういったスキルを持った人材が必要なのかを明確にしておくことも大切です。たとえば、
- 業界に関する知識がある
- 会計や監査の専門家
- 言語スキルがある
- システムについて詳しい
など、不正の種類や調査内容によって必要なスキル・人材は異なります。
調査を円滑に進めるためには、責任者を明確にし、役割分担を決めておくことも重要です。資料収集・ログ確認・ヒアリング・記録作成・社外対応など、担当を分けることで手戻りを防ぎやすくなります。
2.調査計画の立案
不正調査では、調査の抜け漏れや手戻りを防ぐために、あらかじめ調査計画を立てることが重要です。たとえば、調査の規模が比較的小さい場合は以下のようなイメージです。
| 期間 | やること | 具体的な作業例 |
|---|---|---|
| 1〜2日目 | 調査設計の確定 | ・調査目的・対象範囲を確定 ・役割分担・情報共有ルール決定 |
| 2〜10日目 | 証拠保全・データ確保 | ・メール・チャット・ファイル・アクセスログの保全 ・保存期間ルールの一時変更 |
| 10〜25日目 | 資料確認・分析 | ・会計資料、取引資料、稟議、監査ログなどの確認・突合 |
| 25〜30日目 | ヒアリング | ・内部通報者・関係部署・キーマンへのヒアリングおよび記録作成 |
| 30〜40日目 | 仮説更新・追加調査 | ・関与範囲・対象期間・手口の見直し ・追加データ取得 |
| 40〜50日目 | 取りまとめ | ・事実認定、原因整理、影響範囲の評価 |
調査計画では、調査の目的や範囲、実施手順、役割分担などを整理し、いつまでに何をどこまで行うかを明確にします。
ただし、調査開始の段階で事実がすべて揃っていることはほとんどありません。調査を進める中で新たな発見事項が出れば、当初の仮説を再構築する必要があり、計画も修正することとなります。計画を立てておくのと同時に、計画の変更を想定しておくことが大切です。
3.関係者への開示・関係当局への報告
不正行為が取引先や株主などの関係者にも影響を与える可能性がある場合、関係者に対して情報の開示を行う必要があります。会社として不正が発生している可能性を認知しており、現在調査を行っている最中である旨など、途中段階でも可能な範囲で開示することが大切です。
これは、不正行為が一部の従業員や子会社が行ったものだとしても同じです。開示の際は、情報を整理して伝えることが大切です。
- 現時点で把握している事実
- 調査の対象範囲
- 今後の対応方針
- 次回の報告予定
など、途中段階でも説明できる項目はあります。
情報開示のタイミングが遅れ、マスコミやSNSを通して情報が公にされてしまうと、企業が不正を隠蔽しようとした、と判断される恐れがあります。そうなると社会的な信頼・イメージ低下につながりかねません。
利害関係者への情報開示に加え、場合によっては関係当局にも報告を行う必要があります。当局への報告は、法令や規制によって義務付けられているケースもあるため注意してください。必要に応じて自社の法務部門や弁護士などの外部専門家と連携し、報告の要否や報告内容を慎重に検討することが大切です。
社内不正調査の3つの手段
ここでは、社内不正調査を行う際の具体的な手段を3つ紹介します。実際の調査ではこれらの手段を組み合わせながら証拠を集めることとなります。ここで取り上げるのは以下の通りです。
- 首謀者・関係者へのヒアリング
- 関連書類・入力記録の洗い出し
- デジタルフォレンジック
まずは、各手段の概要を理解しておきましょう。
首謀者・関係者へのヒアリング
社内不正調査の主な手段の1つとして挙げられるのが、不正が疑われる人や関係者へのヒアリングです。ヒアリングは、調査の段階に応じて誰に行うのかを整理しておく必要があります。
不正が疑われる首謀者に対していきなりヒアリングをしても「やっていない」と否定され、さらに自分が疑われていることに気づいて証拠を削除・破棄してしまう恐れがあるため注意が必要です。最初の段階では、不正に関与している可能性が低い関係者、協力的だと思われる関係者にヒアリングを行い客観的な情報を徐々に集めていきます。首謀者へのヒアリングは、後述する他の手段などを通して十分な証拠が集まった段階で行うことがポイントです。
また、ヒアリングでは、誰が・いつ・どこで・何をしたのかといった基本的な情報に加え、
- 業務フローや承認経路
- 関係するシステム・データの所在
など、証拠確認につながる情報も押さえておく必要があります。首謀者へヒアリングを行う際は、誘導的な聞き方にならないように注意し、証拠と突き合わせながら矛盾点がないか確認します。
関連書類・入力記録の洗い出し
書類やシステムへの入力記録など、客観的な記録が事実確認をするうえで重要な証拠となるため、関連書類や入力データの洗い出しも調査手段の1つだといえます。ここでいう関係書類とは、取引記録や契約書、請求書、発注書、議事録、電子メールなど、不正に関わっている可能性のある文書すべてです。内容を精査したうえで不正の証拠となるような情報を見逃さないようにする必要があります。
洗い出しは、システム上の履歴も含まれます。たとえば、
- 会計システムの仕訳や修正履歴
- 承認ワークフローのログ
- 入退室や勤怠の記録
- チャットの送受信履歴
- ファイルサーバーのアクセスログ
など、誰が・いつ・何を行ったかわかるデータは手がかりになります。
収集した資料は、後から確認しやすいように、取引先や案件、日付、関係者などの軸で整理し、時系列で並べておくことがポイントです。契約→発注→納品→請求→支払いのフローに沿って並べておくと、不自然な金額や手続きの抜けなどが見つかりやすくなります。
デジタルフォレンジック
デジタルフォレンジックスとは、パソコンやスマートフォンなどに保存されている電子データを解析することで事実の解明を図る技術のことです。昨今の不正では、メールやチャット、ファイル共有、会計システムなどデジタル上の痕跡が重要な手がかりになるケースが少なくないため、デジタルフォレンジックスは欠かせない手段だといえます。
電子データは、削除や改ざん、上書きが容易で、通常のコピーでは「いつ、誰が、どのように扱ったデータか」という点で、証拠として活用できない可能性があります。そのため、電子データの収集・保全・復元・解析ができるデジタルフォレンジックスを行うことで証拠として活用できるようにすることが大切です。
デジタルフォレンジックスを行う際の手順は以下の通りです。
- 対象範囲の決定:対象者・対象機器・対象期間・取得データを決める
- データ保全:証拠性を担保した形でデータを確保する(改ざん・消失の防止)
- 復元・解析:削除データの復元、ログ・履歴の確認、関連データの抽出を行う
- 調査データの絞り込み:関係が薄いデータを除外し、重要データに集中する
- 分析・調査:時系列や関係者の動きを整理し、事実認定につなげる
デジタルフォレンジックスは、社内での対応が難しい手段であるため外部専門家を使うケースが一般的です。
証拠となる情報を収集する手段にはさまざまなものがありますが、ツールを活用すればより効率よく証拠を集められます。たとえば、NaLaLysは、生成AIや豊富なノウハウに基づいて、メールやチャットなどから不正リスクの高いものを自動で抽出します。すべてのメールをチェックする必要はなく、リスクの高いものに絞って効率よく確認できるため、他の手段と合わせての活用も可能です。
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社内不正調査の事例
ここでは実際の社内不正調査の事例を紹介します。調査を行った結果どうなったのか、どのようにして証拠を集めたのかなど、参考にしてみてください。
- 店舗の店長による売上金横領
- 退職予定社員による営業機密情報の持ち出し
店舗の店長による売上金横領
| 不正の内容 | 売上金の着服 |
|---|---|
| 発覚のきっかけ | アルバイト従業員からの内部通報 |
| 初動対応 | いきなり店長へ聴取せず、会計書類や在庫など客観証拠を先に確認 |
| 結果 | 証拠固め後に弁護士経由でヒアリングし自白 |
国内に30店舗以上を展開する小売業を営む企業では、各店舗の運営を正社員の店長と数名のアルバイト従業員で行っていました。ある店舗のアルバイト従業員から「店長が売上金を着服している」との内部通報が入り、社内不正調査を開始します。
通報内容だけでは事実関係が明確ではないこと、店長には店舗運営上の裁量があり証拠隠滅のリスクも懸念されたことから、店長へのヒアリングは後から行うこととなりました。ヒアリングの前に、在庫数や売上伝票などの会計書類の確認、アルバイト従業員へのヒアリングなど客観的情報の収集を行います。
調査を通して店長による横領の可能性が高いと判断された段階で、弁護士を通して店長にヒアリングを行ったところ、横領を自白しました。
この事例が示すように、初動調査でいきなり首謀者に事情聴取を行うことが適切ではないケースもあります。そのような場合は、会計書類や在庫、売上伝票などの客観的記録の収集と現場関係者へのヒアリングによって事実関係を固めることが重要です。調査の順序は結果を左右すると覚えておいてください。
以下の記事では、横領が発覚した際の調査について詳しく解説しています。こちらも合わせてチェックしてみてください。
参考記事:横領の調査方法を5つの手順で解説。発生原因と証拠の重要性を事例付きで紹介
退職した元従業員による情報の持ち出し
| 不正の内容 | 原価・仕入れ情報の外部持ち出し |
|---|---|
| 発覚のきっかけ | 捜査・裁判により不正使用が判明 |
| 初動対応 | 刑事事件として立件 |
| 結果 | 有罪判決 |
ある飲食チェーンでは、競合企業へ転職した元幹部が営業秘密を持ち出していたことが問題となりました。
この人物は、在籍していた企業で商品原価や食材の仕入先、仕入価格などのデータを閲覧できる立場にありましたが、退職前にそれらのデータファイルを複製して取得。
その後、転職先の企業に移籍した後、社内の担当者にメールでデータを送信し、競合企業の原価情報と自社商品の原価を比較する資料の作成などに利用させていたとされています。裁判では最終的に営業秘密の不正使用に該当すると認定され、関係者および企業の責任が認められました。
退職予定者に関しては、退職前後のタイミングで引き継ぎ・転職準備などで社内システムやファイルへのアクセスが増えるため、情報持ち出しが起きやすいといえます。
出典:営業秘密官民フォーラムメールマガジン掲載コラム 第74回|回転寿司チェーン会社による営業秘密侵害事件判決の検討
社内不正を未然に防ぐ方法
社内不正調査の手順や手段を把握しておくことは大切ですが、それと同じくらい未然に防ぐ方法を理解しておくことも大切です。ここでは社内不正を未然に防ぐために何ができるのか解説します。ここで取り上げているのは以下の2点です。
- 組織の脆弱性を理解する
- 不正が起きやすい行動・兆候を検知する仕組みを持つ
何から始めればいいのかわからない、といった企業の担当者は参考にしてください。
組織の脆弱性を理解する
社内不正を防ぐうえで大切なのは、社内不正が起きる原因を理解することです。不正行為者が不正を行う背景にはさまざまな環境要因や動機があります。
KPMGジャパンによると、不正行為の環境要因には、
- 営業成績への過度なプレッシャー
- 家族からの圧力
- 体制の問題
- 権限に制限がない
- 孤立した業務環境
などがあり、不正につながる背景が多岐にわたることがわかります。

ここで重要なのは、不正を個人のモラルの問題だけで片付けないことです。成果への過度なプレッシャーは無理な行動を招き、権限の集中や業務の属人化は不正を行いやすい環境を作り出します。
社内不正を予防するには、権限や体制、業務プロセス、風土といった、不正が起きやすい構造・環境を把握することが欠かせません。どこに脆弱性があるのかわかれば対策を立てやすくなります。
不正が起きやすい行動・兆候を検知する仕組みを持つ
社内不正を未然に防ぐには、不正が起きてから対応するだけでなく、日常業務の中で不正につながりやすい行動・兆候を早めに捉える仕組みを持つことが重要です。不正は発覚が遅れるほど証拠の確保が難しくなり、被害が拡大するおそれがあります。そのため、普段からリスクの芽を拾い、必要に応じて早期に調査へつなげられる体制を整えておくことが効果的です。
実際に社内で調査を行う場合、いかに有力な情報を客観的な証拠として押さえられるかがポイントだといえます。なかでも電子メールは、取引条件のやり取りや社内承認、顧客対応など重要なコミュニケーションが集まりやすく、不自然な表現ややり取りの偏り、通常と異なる動きが兆候として現れることがあります。
次章では、こうした兆候検知を効率化する方法の一つとして、メールなどのコミュニケーションデータをAIで分析し、リスク兆候の把握を支援する「NaLaLys」について紹介します。
社内不正を未然に防ぐメールモニタリングツール「NaLaLys」
ここでは、社内不正の予防につながるおすすめのシステムとしてNaLaLysを紹介します。NaLaLysは、メールやチャットなどのコミュニケーションデータを分析し、不正リスクの兆候を効率よく把握するためのメールモニタリングツールです。

NaLaLysには、主に以下の特徴があります。
- 生成AIが不正リスクの高いデータを自動で抽出
- 専門家の知見をもとに作成されたキーワードリスト(500個以上)による分析
- 自社の運用に合わせて、ユーザー側でキーワードを追加・調整可能
- 過去事案の学習に対応
NaLaLysはデータをアップロードすることで分析が進み、担当者は抽出された高リスクのやり取りを中心に確認できます。社内不正の予防は重要である一方、常時監視に十分なリソースを割くのは現実的ではない企業も多いでしょう。NaLaLysを活用すれば、限られた人員でも日常的なモニタリングを継続しやすくなります。

兆候を早期に把握できれば、被害が大きくなる前に対策を打てる可能性が高まります。また、メールやチャットのやり取りは、後の社内調査においても事実確認の手がかりになり得ます。
以下の資料では、NaLaLysの導入による効果やメリットを整理して解説しています。具体的にどういった業務でどのように活用できるのか、詳しい事例も取り上げているため、まずは無料でダウンロードしてみてください。
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