2026/03/19
解説
ハラスメント対策で重要となる4つの柱。具体的な実践対策まで解説
「○○ハラスメントという言葉をよく耳にするようになった」「自社でもハラスメントが起こるのではないか不安」といった悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。ハラスメントはどの企業でも起こり得るものであり、適切な対策を立てておかないと大きなトラブルにつながる可能性があります。
そこでこの記事では、
- ハラスメントの概要と種類
- ハラスメント対策における4つの柱
- 具体的なハラスメント対策や事例
などについて詳しく解説します。従業員が気持ちよく仕事に取り組める環境を整えるためにもハラスメント対策は欠かせません。ぜひ参考にしてみてください。
メールモニタリングツールであるNaLaLysは、ハラスメント対策にも活用できる便利なツールです。メールやチャットなどのコミュニケーションデータをAIが分析し、ハラスメントにつながる恐れのあるものを自動で抽出し、リスト化してくれます。ハラスメントはメールやチャット上で発生するケースもあるため、ハラスメント対策としてぜひNaLaLysの導入を検討してみてください。
⇨NaLaLysへのお問い合わせはこちら
目次
そもそもハラスメントとは?
ハラスメントとは、意識的であるか無意識であるか、そして特定・不特定であるかに関係なく相手に対して不快な思いをさせる、苦痛を与える行為のことです。よく耳にするハラスメントの例としては、セクハラ(セクシュアルハラスメント)やパワハラ(パワーハラスメント)などがありますが、昨今ではハラスメントの意味がより広くなっており、さまざまなケースが該当するようになりました。
企業内で各種ハラスメントが発生すると、従業員のメンタル不調や業務への支障、モチベーション低下などにつながる恐れがあります。また、それらがきっかけで退職や裁判沙汰につながるケースもあるため、ハラスメントが起こらないように対策を立てることが重要です。
また、ここで注意したいのは、ハラスメントが必ずしも明確な悪意を伴うわけではありません。本人に悪気がなくても、言動の受け取り方は人によって異なるため、結果的に相手に精神的な負担や不快感を与えてしまうことも。そのため、職場では「自分にそのつもりがなかった」という理由だけでは問題が解決しないケースも起こり得ます。
ハラスメントの種類
ハラスメントにはさまざまな種類がありますが、以下の5つは対策を立てることが重要となっています。
| パワハラ | ・職場内の優位性を背景に精神的・身体的苦痛を与えること ・上司から部下のほかに先輩から後輩、同僚間、部下から上司などのケースもある |
| セクハラ | ・相手の意に反する性的な言動で個人の尊厳を不当に傷つけること ・女性から男性、同性間で起こるケースもある |
| ケアハラ | ・働きながら介護を行う人に対して介護休業や介護時短制度などの利用を不当に妨害すること ・介護を理由に人事評価を下げることも該当する |
| マタハラ | ・妊娠、出産、育児などを理由に不利益な取り扱いをすること ・妊娠中の人材に対する肉体的または精神的に苦痛を与えることも該当する |
| パタハラ | ・育児をしている男性社員に対するハラスメント ・男性社員の育児休暇取得を否定する発言などが該当する |
ハラスメントは当事者同士の問題として扱われがちですが、適切な対応が行われないと職場全体の雰囲気が悪くなり、組織の信頼関係にも影響を及ぼす恐れがあります。例えば、周囲の従業員が不安や不満を抱えることで、職場のコミュニケーションが停滞し、生産性の低下につながるといったケースです。
そのため企業では、ハラスメントの発生を防ぐために、就業規則への明確な規定の整備や社内研修の実施、相談窓口の設置などの取り組みを進めることが重要です。従業員一人ひとりがハラスメントに対する理解を深め、互いに尊重し合える職場環境を整えることが、トラブルの未然防止につながります。
ハラスメント対策の重要性
各種ハラスメントは、従業員個人だけでなく、職場全体に影響を及ぼす可能性があることから、ハラスメント対策をしっかりと立てることが重要です。ここでは、ハラスメントの発生件数や発生による影響などを紹介します。ここで取り上げるのは以下の点です。
- ハラスメントの発生件数は増加傾向に
- 人材不足による離職の防止
なぜハラスメント対策が重要なのかを理解するためにも、ぜひチェックしてみてください。
ハラスメントの発生件数は増加傾向に
厚生労働省の「令和5年度職場のハラスメントに関する実態調査」によると、各種ハラスメントの発生件数は増加傾向にあります。

出典:厚生労働省
令和5年(2023年)において過去3年間に相談があったと回答した企業の割合は、
- パワハラ64.2%
- セクハラ39.5%
- 顧客等からの著しい迷惑行為27.9%
- 妊娠・出産・育児休業等ハラスメント10.2%
- 介護休業等ハラスメント3.9%
であり、令和2年(2020年)に比べて、いずれのハラスメントも増加しています。
このように、企業におけるハラスメントの相談件数は依然として多く、無視できない問題だといえます。ハラスメントが増加している背景には、働き方の多様化や価値観の変化、ハラスメントに対する社会的な意識の高まりなどがあると考えられます。
以前であれば問題視されなかった言動であっても、現在ではハラスメントとして認識されるケースが増えており、注意しなければならない状況です。
人材不足による離職の防止
離職防止の観点からも、企業のハラスメント対策は欠かすことができません。帝国データバンクによると、2025年に人手不足を理由に倒産した企業は427件となっており、3年連続で過去最多を記録しました。

出典:帝国データバンク
業界や業種問わず人手不足は深刻な問題ですが、そのような中で、企業内でパワハラやセクハラなどが発生すると、ただでさえ少ない人材が離職する可能性が高くなります。特に中小企業のように従業員の数が限られている企業にとっては、1人の退職でも大きなダメージになりかねません。
また、ハラスメントが発生している職場では、被害を受けた本人だけでなく、周囲の従業員にも不安や不満が広がる可能性があります。職場の人間関係の悪化に伴い、従業員のモチベーション低下や生産性の低下につながるだけでなく、「この会社で働き続けることに不安を感じる」といった理由から離職を検討する人が増える恐れもあるでしょう。
さらに、近年ではSNSや口コミサイトなどを通じて企業の評判が広まりやすくなっており、ハラスメントが発生していると、職場環境に関するネガティブな情報が外部に広がる可能性もあります。その結果、採用活動にも影響が及び、人材確保がさらに難しくなる恐れがあります。
このような点から、離職防止、人材確保の観点からもハラスメント対策は必要不可欠です。
ハラスメント対策における4つの柱
ハラスメント対策に関しては、パワハラ防止法および関連法規に基づき、すべての事業主が必ず実施しなければならない措置があります。具体的には、以下の4つの柱で構成されています。
- 事業主の方針の明確化及び周知
- 必要な体制の整備
- ハラスメント事後の迅速かつ適切な対応
- プライバシー保護と不利益取扱いの禁止
これらは、努力義務ではなく法的義務です。実施を怠り、行政からの勧告にも従わないと、企業名が公表される可能性があります。ここでは、ハラスメント対策の4つの柱について解説します。
事業主の方針の明確化及び周知
ハラスメント対策を進めるうえで、まず重要なのが事業主の方針を明確にし、社内に周知することです。組織のトップが「ハラスメントは断じて許さない」という姿勢を明示することで、従業員一人ひとりの意識を高め、ハラスメントが起こりにくい職場環境をつくることにつながります。
そのため企業では、ハラスメントを禁止する方針を就業規則や社内規程などに明文化し、職場のルールとして明確にすることが重要です。
あわせて、ハラスメントに該当する行為の内容やハラスメントが発生する背景および原因などに関しても周知し、理解を深める取り組みが求められます。その他にも、ハラスメントを行った場合には懲戒処分など厳正に対処する方針を示しておくことで、抑止力としての効果も期待できます。
具体的な取り組みとしては、
- 社内報
- パンフレット
- 社内ポータルサイト
などを活用してハラスメント防止の方針を周知する方法があります。例えば、社内ポータルにハラスメントに関するガイドラインを掲載したり、社内メールで注意喚起を行ったりすることで、従業員がいつでも内容を確認できるようにしておくと効果的です。
このように、事業主の方針を明確に示し、さまざまな方法で社内に周知することは、ハラスメント対策の基盤となる重要な取り組みです。従業員全員が共通の認識を持つことで、ハラスメントの発生を未然に防ぐことにつながります。
必要な体制の整備
ハラスメント対策を実効性のあるものにするためには、従業員が安心して相談できる体制を整備することが重要です。問題が表面化する前の段階やハラスメント発生直後に適切に対応できる環境を整えておくことで、被害の拡大を防ぐことが可能です。
そのため企業では、社内に相談窓口を設置し、相談を受け付ける担当者を事前に決めておく必要があります。相談窓口は、人事部門やコンプライアンス部門が担当するケースのほか、外部の専門機関に相談対応を委託する方法もあります。外部窓口を活用することで、社内の人間関係を気にせず相談できる環境を整えることができるため、従業員が利用しやすくなる場合もあります。
さらに、相談内容に応じて迅速に対応できるよう、相談窓口の担当者と人事部門などが連携できる仕組みを整えておくことも大切です。例えば、相談を受けた際の対応手順や注意点をまとめたマニュアルを作成しておくことで、担当者が適切に対応しやすくなります。また、相談対応を担当する従業員に対して研修を実施し、
- 守秘義務やヒアリングの方法
- 適切な対応手順
などを理解してもらうことも、体制整備の一環として重要な取り組みです。
このように、相談窓口の設置や担当者の配置、対応手順の整備などを通じて相談体制を整えることは、ハラスメントの早期発見と適切な対応につながります。
ハラスメント事後の迅速かつ適切な対応
ハラスメントの疑いがある事案が発生した場合、企業には迅速かつ適切に対応することが求められます。問題を放置したり対応を先送りしたりすると、被害が拡大するだけでなく、職場環境の悪化や企業の法的責任の発生につながる可能性があります。そのため、ハラスメントの相談が寄せられた場合には、速やかに事実関係を確認し、状況に応じた対応を取ることが重要です。
まず、相談窓口の担当者や人事部門などが中心となり、相談者と行為者それぞれから事情を聞き取るなどして、事実関係を迅速かつ正確に確認します。この時、相談者の心身の状況や当該言動をどのように受け止めたかといった認識にも配慮しながら、慎重に対応する必要があります。また、双方の主張に食い違いがある場合には、他の従業員などの第三者から事情を聞くなど、客観的な情報を収集することが求められます。
事実関係が確認された場合には、就業規則や社内規程に基づき、行為者に対して適切な措置を講じます。例えば、懲戒処分や注意・指導などの対応が考えられます。また、被害者の負担を軽減するため、配置転換や業務上の接触を避ける措置を取るなど、職場環境を整える対応も重要です。
さらに、必要に応じて行為者に謝罪を求めるなど、被害者と行為者の関係改善に向けた取り組みを行うこともあります。
プライバシー保護と不利益取扱いの禁止
ハラスメント対策を実効性のある制度として機能させるためには、相談体制を整えるだけでなく、相談者や関係者を守る仕組みを整備することが重要です。相談者が安心して声を上げられる環境がなければ、問題が表面化せず、ハラスメントの早期発見や適切な対応が難しくなる可能性があります。
そのため企業では、相談内容や相談者の氏名などのプライバシーを適切に管理し、社内外において必要以上に情報が共有されないよう、情報管理ルールを整備することが求められます。相談窓口の担当者や関係部署には守秘義務を徹底し、取り扱う情報の範囲や管理方法を明確にしておくことが大切です。
また、ハラスメントの相談や調査への協力を理由に、相談者や関係者に対して解雇、降格、配置転換などの不利益な取り扱いを行うことは認められていません。就業規則などの社内規程において、相談や申告を理由に不利益な取り扱いを行わない旨を明確に記載し、従業員に周知する必要があります。周知によって、従業員が安心して相談できる環境を整えることが可能です。
さらに、ハラスメントの事実が確認された場合には、被害者への配慮も重要です。事案の内容や状況に応じて、産業医や社内の産業保健スタッフによる相談対応を行うなど、被害者の心身のケアに配慮することも重要です。
ハラスメントを防ぐための実践対策
ハラスメントのない職場を実現するには、法律で求められる最低限の対応だけでは不十分です。ハラスメントに対して、組織全体で継続的に取り組める実務的な対策が必要となります。
そこでここでは、ハラスメント対策の具体的な実践について解説します。ここで取り上げるのは以下のような内容です。
- 企業理念や価値観と結びつけて発信する
- 多角的なハラスメント研修を実施する
- 組織実態の把握と見える化
形だけの対策ではなく、実行力のある対策にするためにも、ぜひ参考にしてみてください。
企業理念や価値観と結びつけて発信する
ハラスメントを防ぐためには、単にルールや禁止事項を設けるだけでなく、企業の理念や価値観と結びつけて発信することが重要です。なぜハラスメントが許されないのか、それが企業のミッションや価値観とどのように関係しているのかを明確に伝えることで、従業員の理解や納得感を高めることができます。
例えば、
- 従業員を尊重する
- 多様性を大切にする
- 安心して働ける職場環境をつくる
といった理念を掲げている場合、ハラスメントはその理念に反する行為となります。理念とハラスメントの関係を明示したうえで、ハラスメント対策をそれに結びつけて説明することで、単なるルールではなく、企業の姿勢や考え方として共有されやすくなります。
また、こういったメッセージを継続的に発信することも重要です。例えば、経営層からのメッセージとして社内ポータルや社内報などで発信し続けることで、従業員のハラスメントに対する意識を高めることができるでしょう。
多角的なハラスメント研修を実施する
ハラスメントが起きないために、さまざまな研修を実施することも重要です。ハラスメントに関する知識や判断基準を共有することで、従業員一人ひとりが適切な行動を理解し、問題の発生を防ぐことにつながります。
研修手法には、座学のほか、事例に基づいた映像を視聴して議論をすることでどのような発言や行動が問題になるのかを理解しやすくなります。また、ロールプレイングを行って被害者の心情を疑似体験することで、相手の感じ方や捉え方を意識した行動を促すことも可能です。
ハラスメント研修を行う場合、管理職を対象とした研修は特に重要です。これは、管理職は部下への指導や評価を行う立場にあることから、本人は無意識でもハラスメントに該当する行動をとってしまう可能性があるためです。だからこそ、研修を通して、適切なコミュニケーションの取り方や指導方法、ハラスメントの基準などを理解しておく必要があります。
- 自分の時は問題なかった
- 昔は普通に行われていた
といったことは現代では通用しないため、自身がハラスメントの加害者にならないためにも研修を行うことが大切です。
ハラスメント研修を多角的に実施することによって、ハラスメントに対する理解を深められ、日常の言動の改善にもつなげることができます。
組織実態の把握と見える化
ハラスメント対策を進めるうえでは、社内でどのような問題が起きているのか、組織の実態を把握することが重要です。しかし実際には、ハラスメントは表面化しにくく、被害者が声を上げにくいケースが少なくありません。そのため、企業側が問題の兆候に気づきにくいという課題があります。
こうした状況を防ぐためには、従業員の声を定期的に把握する仕組みを整え、企業内の課題を「見える化」することが重要です。
例えば、従業員アンケートや意識調査を実施することで、職場環境に関する不満やハラスメントの兆候を早期に把握できる場合があります。また、近年では、従業員の声を継続的に収集・分析できるツールを導入する企業も増えています。こうしたツールを活用することで、職場の状況を客観的に把握し、ハラスメントの早期発見や組織改善につなげることが可能になります。
NaLalysは、メールやチャットなどでハラスメントとなる言動を早期に検知できるメールモニタリングツールです。チャットやメールなどから不正リスクを抽出し、ハラスメントにつながる恐れのある言動を早期発見できます。ハラスメントは、対面でのコミュニケーションだけでなくメールやチャットなどのオンライン上でのやり取りでも発生する可能性があるため、メールモニタリングツールの導入もハラスメント対策の1つとなります。まずはお気軽にお問い合わせください。
⇨NaLaLysへのお問い合わせはこちら
ハラスメント対策における取り組み事例
ここでは、ハラスメント対策の具体的な事例を紹介します。ハラスメントはどの企業でも起こり得るものであるため、発生させない仕組みや発生した際に迅速に対応できるようにしておくことが大切です。ここでは以下のような事例を取り上げています。
- 大和ハウス|パワーハラスメント防止対策室の設置
- キリングループ|ハラスメント研修の実施
- 全日本空輸株式会社|全社員教育を展開
- 松本市|カスタマーハラスメント対策室を設置
自社でどういった対策ができそうなのか、ぜひ参考にしてみてください。
大和ハウス|パワーハラスメント防止対策室の設置
| 概要 | ・本社人事部内に「パワーハラスメント防止対策室」を設置 |
| 取り組み内容 | ・通報窓口「パワハラ防止ホットライン」の運用 ・従業員教育の実施 ・従業員面談によるヒアリング |
大和ハウスでは、パワハラ防止を目的に、「パワーハラスメント対策室」を設置し、以下のような取り組みを実施しました
- 通報窓口「パワハラ防止ホットライン」の運用
- 従業員教育の実施
- 従業員面談によるヒアリング
「パワハラ防止ホットライン」では、パワハラに関する相談をメールや電話で受付、事実確認を行ったうえでパワハラが確認された場合は適切な処置を講じています。運用開始初年度は、73件の通報があり、そのうち悪質な言動が確認されたものに関しては懲戒処分を実施しました。
また、経営層を含めた研修を実施したほか、支社、支店、工場、研究所などの各拠点を中継で繋ぎ、社長から全従業員に向けてパワハラ撲滅に関するメッセージを発信するなど、ハラスメント防止の意識を高める取り組みも行われています。
その他にも、全国の各拠点を担当者が実際に訪問してヒアリングを行うなど、表面化しにくいハラスメントを早期に発見できるように取り組んでいます。
出典:大和ハウス
キリングループ|ハラスメント研修の実施
| 概要 | ・ハラスメント研修を毎年開催 |
| 取り組み内容 | ・全従業員や新入社員、トップ層など階層別に実施 ・ハラスメント撲滅月間の設定 ・希望する職場に対するグループワークの実施 |
キリングループでは、全従業員を対象としたハラスメント研修を毎年実施しています。新入社員や新任経営職、トップ層など、階層別に研修を行っており、それぞれの立場に応じた理解を深める取り組みを行っている点が特徴です。
例えば、新任経営職を対象にした研修では、多様性を尊重することの重要性や差別・ハラスメントのない職場づくりなどについて学びます。また、自社内だけではなく、バリューチェーンや周辺コミュニティの人々の人権課題についても取り上げるなど、より幅広く学べる内容となっています。
その他にも、毎年6月を「ハラスメント撲滅月間」と定め、グループ全体の人財統括を務めるCPOによるメッセージの発信やオンライン研修の実施など、グループ全体でハラスメント防止に取り組んでいます。
さらに、希望する職場に対してグループワークを行い、従業員同士が意見交換を行うことで、ハラスメントに対する理解を深める機会も設けています。
このように、階層別の研修や継続的な啓発活動を組み合わせることで、組織全体でハラスメント防止の意識を高めている点が特徴です。
全日本空輸株式会社|全社員教育を展開
| 概要 | ・カスタマーハラスメント防止策に取り組む |
| 取り組み内容 | ・カスタマーハラスメントの実態把握および対策の検討・実施 ・社内ガイドラインの整備と全社員教育の展開 ・カスタマーハラスメントに対する基本方針の開示 |
全日本空輸株式会社(ANA)では、カスタマーハラスメント(カスハラ)への対策として、実態把握や社内ガイドラインの整備、全社員教育の展開といった各種取り組みを行っています。
このような取り組みを行うようになったのは、コロナ禍後、現場で顧客対応に苦慮している声が増えたことがきっかけでした。
具体的な取り組みとしては、カスタマーハラスメントの行為例やそれらに対する対応方法をまとめた社内ガイドラインを整備し、それに基づいて全社教育を行っています。また、客室乗務員や空港スタッフ、コールセンターなど、現場で実際に顧客対応を行う従業員が相談できる窓口を設置し、サポート体制も整備しました。
そのほかにも、トップによるメッセージの発信や研修の実施、部門間での情報・意見共有などを通して、組織全体でカスタマーハラスメント対策に取り組んでいます。
松本市|カスタマーハラスメント対策室を設置
| 概要 | ・カスタマーハラスメント対策を実施 |
| 取り組み内容 | ・アンケートによる実態把握 ・カスタマーハラスメント対策室の設置 ・カスタマーハラスメント防止条例の制定 |
松本市では、職員に対するカスタマーハラスメントへの対応を強化するため、実態調査や専門部署の設置などの取り組みを進めています。
まず、全職員を対象にアンケート調査を実施し、迷惑行為の内容や発生状況といった実態把握に取り組みました。アンケートの結果からは、約6割の職員がカスタマーハラスメントを経験したことがあると認識していることがわかり、対策の必要性が改めてわかりました。
調査結果を踏まえて、松本市では、「カスタマーハラスメント対策室」の設置と「カスタマーハラスメント防止条例(仮称)」の制定を行う方針を明らかにしました。対策室には警察OBを配置するなど、専門的な知見を活かしながら個別のハラスメント事案に対応できるよう、体制を整える予定となっています。
実態調査を踏まえて、制度を整えており、組織的にハラスメント対策に取り組もうとしていることがわかる事例です。
出典:総務省
ハラスメント対策における注意点
ここまでさまざまな視点からハラスメント対策について解説しましたが、対策に取り組むにあたっては注意点もあります。そこでここでは具体的にどういった注意点があるのか紹介します。ここで取り上げるのは以下のような点です。
- 法律遵守をゴールにしない
- ハラスメントの過剰対策は避ける
- ハラスメント予防する仕組み作りが最重要
注意点も踏まえたうえで、ハラスメント対策に取り組んでみてください。
法律遵守をゴールにしない
ハラスメント対策を進める際、法令で求められている相談窓口の設置や社内規程の整備を行えば十分だと考えてしまう企業も少なくありません。しかし、こうした対応はあくまで最低限の対応であり、それだけで職場の問題が解決しないケースもあります。
例えば、相談窓口が設置されていても、従業員が相談しづらい雰囲気があれば実際には活用されない可能性があります。また、社内ルールが整備されていても、現場でのコミュニケーションや職場文化が改善されなければ、ハラスメントの発生を防ぐことは難しいでしょう。
ハラスメント対策は単に制度を整えるだけでなく、現場の実態を把握しながら継続的に改善していくことが重要です。従業員の声を把握し、職場環境の変化を定期的に確認することで、問題の兆候を早期に発見しやすくなります。
ハラスメントの過剰対策は避ける
ハラスメント対策は重要ですが、対策が過剰なものにならないように注意しなければなりません。対策を強く意識するあまり、管理職が部下への声掛けや指導を控えるようになる、業務上必要な注意を行わないようになってしまうケースもあるためです。このような状態が続くと、人材育成や組織の成長に影響を及ぼす可能性があります。
こういった事態を避けるためにも、ハラスメント対策においては、何をやってはいけないのかといった禁止事項を明示するのと同時に、どこまでが適切な指導の範囲であるかを示すことが大切です。以下は指導と注意に関する具体例です。
| 場面 | 適切な指導・注意の例 | ハラスメントになり得る例 |
|---|---|---|
| 業務ミスが発生した場合 | 「この部分でミスが起きているので、次回はこの手順で確認してください」など、具体的な改善方法を示して指導する | 「なんでこんなこともできないんだ」「向いていないんじゃないか」など人格を否定する発言をする |
| 業務態度を改善してほしい場合 | 「最近遅刻が続いているので、勤務時間は守るようにしてください」と事実ベースで注意する | 「社会人として失格だ」「だらしない人間だ」など人格を攻撃する |
| 業務の改善指導を行う場合 | 「このやり方だと効率が悪いので、こちらの方法で進めてみてください」と業務改善の視点で助言する | 大声で叱責したり、他の社員の前で執拗に叱責する |
指導・注意とハラスメントの線引きが明確にされていれば、管理職が過度に萎縮する心配がなくなり、適切なコミュニケーションを取りながら業務を進めることが可能です。
ハラスメント予防する仕組み作りが最重要
ハラスメント対策では、問題が発生してから対応するだけでなく、未然に防ぐ仕組みを整えることが重要です。トラブルが表面化した段階では、すでに職場環境の悪化や従業員のメンタル不調などにつながっているケースも少なくありません。そのため、早い段階で問題の兆候を把握できる環境づくりが求められます。
例えば、定期的な1on1ミーティングや従業員アンケートを通じて職場の状況を確認したり、従業員の不満やストレスの兆候を早期に把握したりする取り組みが有効です。こうした仕組みを整えることで、ハラスメントにつながる可能性のある問題を早い段階で把握し、対策を講じることができます。
近年では、メールやチャットなどのコミュニケーションを分析し、ハラスメントにつながる言動の兆候を早期に検知できるツールを活用する企業も増えています。こうしたツールを導入することで、組織の実態を客観的に把握し、問題の早期発見や予防につなげることが可能になります。
そこで続いては、ハラスメント対策にも活用できるメールモニタリングサービス「NaLaLys」を紹介します。
ハラスメントの早期検知は「NaLaLys」
ハラスメント対策では、問題が発生してから対応するだけでなく、兆候を早期に把握する仕組みを整えることが重要です。しかし実際には、日常的なコミュニケーションの中で起こる言動をすべて人の目で確認するのは現実的ではありません。
そこで活用できるのが、メールやチャットなどのコミュニケーションデータを分析し、リスクの兆候を早期に検知できるツールです。
NaLaLysは、社内コミュニケーションの分析を通じてハラスメントやトラブルにつながる可能性のあるやり取りを可視化できるメールモニタリングツールです。

NaLaLysでは、メールやチャットなどのデータをAIが分析し、リスクの高いコミュニケーションのみを抽出します。これにより、担当者がすべてのメッセージを確認する必要がなくなり、効率的に問題の兆候を把握することが可能になります。
主な特徴は以下の通りです。
- AIがメールやチャットからリスクの高いコミュニケーションを自動抽出
- 不正リスクや問題の兆候をスコア化
- 専門家の知見をもとにした独自の調査キーワードを活用
- ユーザー設定によるキーワードや過去事案の学習にも対応
これらの特徴により、ハラスメントにつながる可能性のある不適切な言動や、職場内のトラブルの兆候などを早期に把握しやすくなります。

ハラスメント対策を進めたいものの、
- 社内のコミュニケーションの状況を把握できていない
- 常時モニタリングを行う人員が不足している
- 問題が表面化してから対応することが多い
といった課題を抱えている企業にとって、NaLaLysは有効な選択肢の一つとなります。ハラスメントの未然防止に向けて、こうしたツールの活用も検討してみてはいかがでしょうか。組織のコミュニケーションを可視化することは、安心して働ける職場環境づくりにもつながります。
以下の資料では、NaLaLysの導入による効果やメリットを整理して解説しています。具体的にどういった業務でどのように活用できるのか、詳しい事例も取り上げているため、まずは無料でダウンロードしてみてください。
⇨NaLaLysの資料ダウンロードはこちら